Oracle + Accessで作成された販売管理システムを Claris FileMaker に集約【エムディ化粧品販売株式会社様】
2021年05月18日 12:00 PM
導入事例
今回ご紹介するのはエムディ化粧品販売株式会社様です。
エムディ化粧品販売株式会社様は40年以上の臨床経験を持つドクター石井が開発した
生薬・ハーブなど、昔から安全性と効果が実証されている原料を使用したエムディ化粧品を販売している会社です。
エムディ化粧品公式サイト:https://www.mdcosme.co.jp/
1998年から利用していたシステムがサポート切れに
エムディ化粧品販売様では、20年以上前からOracleをベースとしたオリジナルの販売管理システムを導入されていました。
オリジナルで開発した理由として、通常の販売管理機能に加えて
・“サンプル商品”や“セット売り”という概念があり、特殊な計上方法
・「伝票処理日付」と「売上日付」という2種類の日付管理
等々、パッケージ製品では補えない機能が必要でした。
また、それらに加え、過去20年分の売上データから“地域や期間” “購買層”など、その時々に必要な視点で分析できるよう山本社長自らがAccessにて「販売分析」という集計のプログラムを作成されていました。
しかし、1998年当時、Microsoft Windows NT+Windows 98という機器構成でスタートしたシステムはマイナーバージョンアップを重ねるもWindowsXPまでしか対応ができず、クライアントPCの挙動も日に日に遅くなったため、いよいよシステムの入替を検討せざるを得なくなりました。
当然ながら、既存のシステムのバージョンアップを検討し、導入当時の開発会社に見積依頼をしましたが、前回導入時に比べ非常に高額な見積金額が提示されたため頓挫していたところ、偶然、山本社長がClaris FileMakerを知る機会があり、弊社にお問い合わせいただきました。
Accessとよく比較されているClaris FileMaker とはどんなソフトなのか?
既存の販売管理システムの足りない機能を補うために利用されていたのがAccessでした。山本社長がご自身で作成した経緯もあり「Accessとよく比較されている Claris FileMaker というソフトがどのようなものなのか非常に興味がある」とのことでしたので、弊社が開発したカスタムAppをご覧いただきました。
・見栄えのよい多彩なインターフェースで構築が可能
・クラウドに対応しているため、サーバーなどのハードウェアを自社で管理する必要がない
・ユーザー様ご自身で変更や拡張が可能
という点を気に入っていただき、Claris FileMaker で開発を進めることになりました。
Oracle + Accessで実装していた機能も Claris FileMaker のみで再現
インターフェースについては、当初は「既存の販売管理システムのユーザーインターフェースをそのままに新システムに移行したい」というご希望がございましたが、「せっかくなので、この機会にインターフェースも一新して無機質な灰色のボタンなどをもう少し“今風のシンプルなもの”にしたい」ということになり、最終的には下図のようなイメージを採用いたしました。
Claris FileMaker は比較的簡単にセンスの良いインターフェースが作れるので、実際の画面をお客様と確認しながらご要望のイメージに近づけることができたと思います。
エムディ化粧品様の Claris FileMaker システムのメニュー画面
Accessでおこなっていた前述の「販売分析」の機能をそのまま再現したいというご要望がございましたが、従来の「Oracleで集計した結果を書出してAccessで分析する」という機能を Claris FileMaker で再現する場合、処理速度の面でハードルがあることが分かりました。
そこで、Claris FileMaker ならではの実装案として、すべてをクライアントPC側で処理させるのではなく「集計処理は Claris FileMaker Server側でおこない、その結果をワークファイルに保存して、クライアントは Claris FileMaker で検索した結果を表示するだけ」という手法を採用することにいたしました。
その結果、OracleとAccessを組み合わせたものと同じことを実現することができ、処理速度もお客様の基準をクリアし「1つのシステムで完結するので、これまでよりも数段使いやすい」と、喜んでいただくことができました。
現場の動きをシステムに反映
また、事務作業だけではなく、倉庫での出荷作業も確認するために、お客様の倉庫に開発担当と一緒に訪問し、既存システムを使った伝票の起伝作業を拝見しました。大量のデータを効率よく処理するための工夫がいたるところにあり、カーソル移動も最小限で済んでいました。
新しいシステムにも現場の動きを反映させ、マウス操作を一切介さずに処理ができるようにしました。
クラウド化により、サーバー管理が不要に
これまでは、サーバー機が社内にあっても“システム管理者が不在”だったため、バックアップや停電時の対応などは「気付いた人がやる」といった程度の管理になっており、実質的には非常に危険な状況が続いておりました。
しかし、今回サーバー環境をクラウド化することで、管理面はもとより物理的なスペースも節約できました。
今後はエムディ化粧品様自身で改良を加えていく
Claris FileMaker に移行したことで、エムディ化粧品様自身でのシステム改良が可能になりました。今後はさらに詳細な売上の分析や今後の販売予測などの機能を実装されたいとのこと。今までは弊社で開発を進めていましたが、今後はエムディ化粧品様自身で開発を進められるように、弊社はご要望に応じて講習型開発を行うなど、開発サポートに務めてまいります。